初期に見つかれば

咽頭ガンは切らずに治る


よみうり情報 97年10月
住吉区医師会 渡部 泰夫



舌のつけ根、のど、鼻の奥の異常は
すぐ耳鼻科専門医


ガンの死亡率が高くなっている。現在死亡原因で病気の中では心臓疾患を抑えて第一位である。約四人に一人がガンで亡くなっており、この傾向は人口の高齢化とともに21世紀にはもっと高くなることが予測されている。肺がん、大腸ガンに次いで前立腺ガン、乳ガンが増えてきている。
ガンの治療方針に関しては、色々な意見が出ているが早期発見が、ガンから無事生還できるために不可欠で、どの様な治療方針をとるにせよ完治は難しくなる。
ガンはどこにでもできるが、咽頭にできるガンについては多くはないのであまり知られていないが、平成9年6月、勝新太郎が下咽頭ガンで死亡したことはご記憶の方もおられると思います。初期の咽頭ガンの分類と症状を中心に説明します。
咽頭は上咽頭、中咽頭、下咽頭の三部に分かれている。このいずれの場所にも咽頭ガンは発生するが症状が少しちがっている。



●上咽頭ガン


上咽頭ガンは鼻の奥で耳管開口部の近くであるので、上咽頭ガンの初期症状は耳の閉塞感、難聴などと鼻出血などの初発部位による症状が出る場合と何も気づかず首のリンパ腺の腫れで受診される場合も少なくない。後者は鼻の奥の上咽頭に発生した腫瘍が大きくならず耳管の開口部の圧迫が起こらない場合で首のリンパ節に転移が起こり、その原因を調べてみて始めて上咽頭ガンが見つかる場合です。痛みのない首のリンパ節の腫れは痛みのある場合より危険信号であることが少なくないのです。鼻出血も持続している場合は上咽頭ガンの初期であることもあり注意してほしい。

●中咽頭ガン


中咽頭ガンは扁桃腺にできるガンなどで、咽頭の異常感、腫れが初期症状で普通の咽頭炎と同じだが、右か左かどちらか一側の症状がなかなかとれないときは受診したほうがよい。診断は容易である。また、高濃度のアルコール含有飲料を多くの飲む人は扁桃腺のガンになりやすいとの報告もあるので気をつけてください。

●下咽頭ガン


下咽頭は舌の付け根の高さから食道の入り口までで、初期症状はのどの異常感、ついで嚥下(のみくだす)時の痛みなどである。発生する場所により、発見しがたいことがあるから症状が改善しないで続く時は定期的に診察が必要です。
咽頭ガンは血液などの検査でみつけられる病気ではないので、人間ドックで何も異常がなかったからと自信を持っておられるかたも、とくにタバコ、アルコールの習慣のある場合は異常感があれば注意していただき、初期症状の段階で受診されることが望まれます。




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